空唄 ~君に贈る愛のうた~
このギターを弾く度に大好きなお兄ちゃんのことを思い出す。
八歳上の優しくてかっこいい、自慢だったお兄ちゃんを。
そして、無意識のうちに抑え込めてる“あの事件”の記憶も。
花音の突然起こる発作の、いちばんの理由。
周りもみんな気を使って、その話題は今では滅多にでない。
あの夏の日、お兄ちゃんがこの世からいなくなった時のこと。
私が思い出さないように――
「だめだ……、また発作が起きちゃう」
はぁー、と深くため息をつく。
気づいたら、心臓の鼓動が早くなっていた。
ギターを意味もなく、指で弾く。
その音が、スピーカーから流れる音楽とともに部屋の空気の中に溶けていった。
「続きを作ろうか」
そう呟いて、ギターを弾きだした。
八歳上の優しくてかっこいい、自慢だったお兄ちゃんを。
そして、無意識のうちに抑え込めてる“あの事件”の記憶も。
花音の突然起こる発作の、いちばんの理由。
周りもみんな気を使って、その話題は今では滅多にでない。
あの夏の日、お兄ちゃんがこの世からいなくなった時のこと。
私が思い出さないように――
「だめだ……、また発作が起きちゃう」
はぁー、と深くため息をつく。
気づいたら、心臓の鼓動が早くなっていた。
ギターを意味もなく、指で弾く。
その音が、スピーカーから流れる音楽とともに部屋の空気の中に溶けていった。
「続きを作ろうか」
そう呟いて、ギターを弾きだした。