初恋 ―約束。―


そして放課後。


みきに「今日一緒に帰れないっ」って話すと、了解っと軽く答えてくれた。


「…じゃ行くか」

「うん!」



それからショッピングモールまでの間、あたしたちは他愛もない話をしながら歩いた。


「…夏鈴はさ、好きなヤツいんの?」



突然の、

本当に突然の質問。



「///いるよ?」


お前だよ!と言いたい気持ちをぐっとこらえて落ち着いた声で答えた。


「誰?」


いえるかぁぁぁ!!


「あててみて?ていうか、葉月はどうなのッ!?」


「俺もいる。小さいころ会った可愛い子。今も探してる。」

「!!」

「その子、ホントに可愛くて可愛くて、守ってあげなきゃって。ずっと思ってた。いま、この瞬間も思ってる。責任て感じかな?」



平然と語る葉月に驚きを隠せないままあたしは黙り込んだ。






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