初恋 ―約束。―

その日の放課後。

「ねぇねぇっ、あなた夏鈴ッて言うんでしょ?あたしはみき。川島みき。よろしく!」

いきなりみきちゃんは右手を差し出してきた。

髪が肩までしかなくていかにも元気っ子な女の子だ。


あたしはびっくりしつつ、その手を握った。

「やっぱ可愛いねー♪瑛也たちが目つける子だもんね!」


みきちゃんは二ヤリと意味ありげに笑った。


「どういう意味?」

「だからぁ~「「もういいだろっ!!」」


二人の声が合わさった。


「あはははっ!動揺してるっ」

「あーあ…」「はぁ…」

二人が同時にため息をついた。


「みきちゃんと知り合いなの?」

「川島は…あぁ。おさななじみだ。うるさくて困るんだよな・・・」


葉月がやれやれという風に言った。



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