流れ星のカケラ【完】

食べ終わって外に出るとまだ満点の星があった。

でも、流れ星はない。

少しの間空を見上げてると、2つの星が今私の視界にある星の中で一番キレイに輝いたんだ。

(お母さん、お父さん…)

私の想いが伝わったのかな。

繋がってることを願いたいな。

お会計を終えた坂木さんが来る。

『優貴ちゃん、今優貴ちゃんの家は入れないから今日は俺の家に来てもらえる?あっ、彼女もいるんだけど大丈夫かな?』


やっぱり、今日は…

しばらくはあの家に行けないんだ。

坂木さんの彼女さんもいるんだし、

お世話にならなきゃ駄目だよね。

お願いしますという意思表示としてペコリと頭を下げる。

『優貴ちゃん、優貴ちゃんに話しておきたいことがあるんだ。』

坂木さんの声がさっきより随分と悲しみがこもっている。

また私は悲しい思いをしてしまうの?

でも、お母さんたちのことかもしれない。

『移動中に話すよ。』

坂木さんがドアを開けて私を乗せる。

私は、またシートベルトをつける。

坂木さんが乗ると車が少し動く。

エンジンから煙が出て、タイヤが回り始める。

『優貴ちゃん、今から話してもいい?』

私はルームミラーに向かって頷く。









< 29 / 319 >

この作品をシェア

pagetop