流れ星のカケラ【完】
食べ終わって外に出るとまだ満点の星があった。
でも、流れ星はない。
少しの間空を見上げてると、2つの星が今私の視界にある星の中で一番キレイに輝いたんだ。
(お母さん、お父さん…)
私の想いが伝わったのかな。
繋がってることを願いたいな。
お会計を終えた坂木さんが来る。
『優貴ちゃん、今優貴ちゃんの家は入れないから今日は俺の家に来てもらえる?あっ、彼女もいるんだけど大丈夫かな?』
やっぱり、今日は…
しばらくはあの家に行けないんだ。
坂木さんの彼女さんもいるんだし、
お世話にならなきゃ駄目だよね。
お願いしますという意思表示としてペコリと頭を下げる。
『優貴ちゃん、優貴ちゃんに話しておきたいことがあるんだ。』
坂木さんの声がさっきより随分と悲しみがこもっている。
また私は悲しい思いをしてしまうの?
でも、お母さんたちのことかもしれない。
『移動中に話すよ。』
坂木さんがドアを開けて私を乗せる。
私は、またシートベルトをつける。
坂木さんが乗ると車が少し動く。
エンジンから煙が出て、タイヤが回り始める。
『優貴ちゃん、今から話してもいい?』
私はルームミラーに向かって頷く。