*ビターチョコレート*
いらいらが止まらないはずなのに
いつものイライラとはまた違う
みぞおちの奥の方をぐっと押されたような
何だこれ




俺は街を早足で歩き、カラオケ店に入った
そして角の部屋のドアを開く





マイクやタンバリンなどの騒がしい音が溢れだし、俺が部屋に入ると一瞬静かになる





「おぉ!!奏じゃん!!珍しいな。つうか来ないって言ったじゃん」





俺に駆け寄る大和




「あぁ、暇だったから来た」



俺はそれだけ言いソファに座った






その途端に何人かの女が集ってくる





「きゃー!!奏くん来てくれたんだ!!」





「やばい!!テンションあがるんだけど!!」





そう言って俺の腕に引っ付いてくる女ども





そんな俺を見てまた大和が寄ってくる






「おまえいいのかよ??柚子葉ちゃん!!本気なんじゃねえの??こんなところで違う女といていいわけ??」






そんな言葉にまたイライラがつのる




「あ??あんな奴どうでもいい。別に本気じゃねえし、もう興味ねえ」






そう目を背けた





「おい、奏!おまえまじで何かあった??」





心配そうな顔をする大和





「うるせえ。ほっとけ」







そういい俺は立ち上がり、部屋を出た





ほんとむしゃくしゃする








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