私がヒールをぬいだ時
車で10分くらいのところにM町はある松の木に囲まれた道を抜けると、綺麗な海が待っていた


昔はなんにもなかったのに、今は公園や売店がある


お年寄りが散歩したり、夏休みの子供たちが遊んでいる


海風の気持ちいい場所で、私は夢中でスケッチしていた


今度のストーリーには田舎のこの海岸が必要なのである


M町にも私の友達はたくさんいた


今週の金曜日に延び延びになっていた食事会が行われる。場所はD寺駅の近くの割烹らしい


久しぶりの食事に私はワクワクしていた


帰ると腕が少し日焼けしていた


翌日、康子ちゃんはお昼過ぎにやってきた


そして黙々と仕事をする


『先生、仕上がりました』


『ご苦労様。今日は少なかったやろ?』


『はい、あと何かできる事ありますか?』


『じゃあこれだけ消しゴム入れといて』


『はい』


『それ終わったら帰ってええわ』


『はい…あの…先生。中原つかささんって知ってますか?』


『うん、知ってる』


『どんな人ですか?』


『一言でいうとお調子者。あと女好き…かな』


『私…丸ちゃんの店でよく会うんですよ、今私が先生のところで働いてるって知って、いろいろ聞いてくるんです…ひかる男いてへんかとか…』


『まったく…しゃーない奴やな…今度言うとくわ!康子ちゃんは気にせんでええからね』


あいつめ…こそこそ陰でそんなことしてるんだ


私はその日つかさに電話した


『ひかるか、やっと電話くれたな』


『あんた!丸美の店でうちのバイトさんに何か言うたやろ』


『たいしたこと言うてへんで』


『恥ずかしい事せんとってや!』


『怒るなや…ちょっとひかるの事気になってしもたんや…あれから連絡もくれへんしな』


『じゃあ…今日飲みにいくわ。そのかわり、あの子にもう変な事言わんといてや』


『ほんまに?じゃあ迎えに行くから待ってて、8時に行くわ』


こうして私はつかさと飲みにいくことになった
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