私がヒールをぬいだ時
翌日起きたのは昼前だった


シャワーを浴びて一階のカフェにランチを食べに行く


まだ昨日のお酒が残っているのか、喉が渇いた


携帯がなった


梅川君から明日の製作発表の電話だった


『朝9時には迎えにいくんで用意しておいてください』


『了解です。その後の予定は?』

『28日に監督や脚本家の先生に会ってもらいます。29日は俳優さん達と食事会です。予定はこれだけ、30日の帰りの新幹線チケットはもう買ってますから』


梅川君は仕事の出来る人だ


私のマネージャーのように動いてくれる


今日は久しぶりに馴染みだった店に顔を出したり、東京を歩いた


地下鉄に乗り、バスに乗り午後を楽しんだ


ヒルズに行き、一人でフレンチのコースを食べた

周りはカップルでいっぱいだ


お一人様は私だけ


つねにマイペースだった私を、元カレは受け止めてくれてると私は勘違いしていた


こんな女は結局一人でも生きていける女としてみられ、男は自信を無くす

私にも責任があるんだ


フレンチの美味しさが心に染み渡る


翌日の製作発表は緊張した。憧れの木村耕平監督は50歳のダンディーな方


主役を張る中村トーイは個性的で今一番注目されている25歳


相手役の春田のばらは舞台出身の本格的女優である。25歳ですでに既婚者だ


周りは木村組と呼ばれる個性のキツイ俳優さんばかりで固められた


記者会見や、写真、私は何を言ったのかも覚えてないくらい緊張していた


『あの…先生のコミック全部持ってるんです』と春田のばらに言われ私はテンパった


驚きと緊張の一日だった
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