私がヒールをぬいだ時
うれしい報せで私は胸が踊った


来年には姪っ子か甥っ子が生まれる…夢みたいだ


私は直ぐに新伍にメールした

【丸美が妊娠しました。二ヶ月だそうです】


【今年はめでたい続きやな】


【あの子達諦めてたから、すごく喜んでます】


【そうか、ひかるにもまた、もっといいこと起こる】


今年もあと三ヶ月、いいことがなきゃへこむよ…



翌日、康子ちゃんに冬用のトートバックをお土産にあげた


『先生、ありがとうございます!すごく素敵です』


『使いやすそうだから使ってね』


『ガンガン物入りそうで嬉しいです』


その日もベタから始まり、康子ちゃんにはいろんな仕事が待っていた


二人で夜の8時までかかって仕事を終えた


『先生、10月もあの担当さんくるんですか?』


『梅川君はくるで。あのホストみたいなの』と私は笑った


『ちょっと緊張しますね…なんとなく怖そうやから』


『仕事はあんなやけど、プライベートは陽気な人やで。今度来たときは一緒に飲みにいこか?』


『はい』


『よし、今から丸ちゃんとこいく?』


『わあ!行きます。お腹空きました』


『今日は私の車で行こう。東京では飲み過ぎたから休肝日。烏龍茶で我慢するし』


『じゃあ私も…』


『康子ちゃんはガンガン飲みや。遠慮いらんよ』


私達は支度すると丸美の店に行った


店に入ると驚いた、テーブルに、新伍とジェット仲間がいて、その中にあゆむちゃんがいたからだ


新伍は私に『よお』と声をかけた


そしてあゆむちゃんの背中を叩いて、立ち上がらせた


あゆむちゃんは真っ赤な顔をして、私のほうにくると、『前はごめんなさい!ひどいこと言って…反省してます!』と頭を下げた


『ええんよ、あゆむちゃん。気にせんで。祭で帰ってきてるんか?』


『はい』


『そうか…また祭で会えたらええね。もう私に謝る必要なんかないからね』


『ありがとう…』この時初めて、私はこの子の笑顔を見た
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