【短編集】フルーツ★バスケット

 涼香は、思い出してはゾッ、としながらも、これまでの経緯を店主に話した。

「まぁ。
 それでは、本当にゴジラのタマゴだったのかしら?」

「ゴジラのタマゴ?」

 平成のこの時代にゴジラがやってくるわけがない。

 あれは、映画の世界の作り話なんだから。

 そうは思っても、心当たりが多すぎるタマゴスイカを考えると、そんな気もしないでもない。

 涼香の頭の中は、混乱し始めていた。

 葉子も、とんでもない物を売ってしまったと思う反面、ワクワクしている。

 この世にゴジラのタマゴが存在するなんて、今までで一番楽しすぎる、と。


 心に秘めた想いは、それぞれに。

 いざ!

 お化けスイカ、改めゴジラのタマゴ、と思われる物体の追跡を葉子と涼香も加わった。


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