【短編集】フルーツ★バスケット
サクラとミズキ
「サクラは大きくなったら、何になるの?」
「ミズキのお嫁さぁん」
「よし! 約束だよ。ボクのステキな花嫁さんになってね」
将来の夢……、多分なりたい職業とかを聞かれていたんだよね。
今思うと笑っちゃうけど、あたし、本気だったんだよ。
いつか、ミズキと結婚できるって疑う事もなかった。
だって、ママが言ってたもの。
『大好きな人と結婚するのよ』って。
あたしの大好きな人はミズキだよ。
生まれた時から、ずっと同じ時を重ねてきたんだもの。
寂しい時に一緒に泣いてくれて、楽しい時は、笑いも倍増して。
遊びも、食事も。
あたし達は一緒にいるのが当たり前だと思っていた。
流石に年を重ねるごとに二人の身体の造りに変化が出始めた時は、恥ずかしくなってきたよ。
だけど、小学校卒業するまでは一緒にお風呂だって入ってたよね。
こんな小さな幸せが、ずっと、ずっと、続くと思っていた。