【短編集】フルーツ★バスケット

 絶対に解散なんか、させないよ。

 あたし、演奏の技術は、未々未熟だけど、みんなと想いだけは同じでいる、つもり。

 あたしね、いつか、このグループがプロになった時、マネージャーとして勤めたいと思ってるの。

 これは、未だメンバーにすら言っていない、

 あたしだけの、夢。

 ママにも、先生にも言えない夢。

 アリバイに協力してもらっている杏子にだけは、打ち明けた。

『どうりで。
 最近のユウカ、輝いてるもんね。
 ウチ、応援してるからね』

 友達っていいね。

 一人じゃ何も出来ないけど、もう一人の力が加わると、みんなと協力すると、

 力が何倍もになって、新しいあたしが生まれる。

 ドキドキ、と弾む毎日。

 確かにあたしは、輝いていた。



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