【短編集】フルーツ★バスケット

──ビターン!!

いきなり飛んできた郡司くんの大きな手のひらに、一人の大きな体跳ね飛んだ。


「今直ぐ、オレらの前から消えろや」

「暴力は厳重な処罰を受けるの知ってるよな」

「これは、暴力とは違う。
 正当防衛だ。

 廉、蒼、お前らは結花ちゃんを連れて早く行け。

 お前らみたいな腐った奴らが熨さばっているから音楽界がダメになるんだ」

「郡司くん!!」

「結花ちゃん、見ちゃだめだよ」

止めなきゃ。

郡司くんがこんなことで辞めたりしたら、
GRAPEが無くなっちゃうよ。


「行こう」

やだよ。

あたしを守ってくれているのに、あたしだけ逃げるなんて、出来ない。


「早く行けよ」

「ダメ。
 郡司くんも一緒に帰らないと意味ないから」

「オレなら、平気

 それより、廉をしっかり捕まえてろや」

ってか、捕まっているのは、あたしの方なんだけど……。

彼の凄味にそれ以上逆らうことも出来ず、あたし達はその場を離れた。

──お願い、
どうか問題になりませんように。



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