【短編集】フルーツ★バスケット
あたしは、至って平凡な日常を送っていた。
。
パパと産まれて7ヶ月の桃と、マンションで3人暮らし。
ごくごく、普通の平凡な主婦&ママをしている。
……一応。
正直、家の中のことは殆ど出来ず仕舞いだからね。
まだ、カーテンの向こうから明かりが射すことのないam4時に起きて炊飯器にスイッチをいれる。
5時に起きてくるパパの朝食の準備を軽く済ませ、送り出したら一寝入り。
だけど、すぐに桃の
「マ…マ、マンマンマン……」
(ママ、ご飯食べたいよ!)
仕舞いには、泣き声で起こされてさまう。
半分寝ぼけ眼でミルクをあげる。
お腹いっぱいになったのか一人で遊び始めたのを見て、安心した。
それも束の間
「マ、マ…ア、ボ」
(ママ、遊ぼ)
「未だママ眠たいの
もう少し寝ようね」
その一言で素直に聞いてくれる赤ちゃんではない。
……はぁ。
あたしも自由な時間が欲しいよ。
気が付けば、お昼前だし。
桃をベビーカーに乗せ、近くの公園へ散歩。
約束をしているわけではないけれど、同じようなママさんの誰かと出会う事が多いからね。
ここでのお喋りでストレス発散にしている。
こんな、変わり栄えのない毎日を送っているあたし。
元々口数の少ないパパだけど、最近仕事が忙しいって理由で今まで以上に会話がなくなってきている。
正直ツマラナイよ。
だけど、別れようとかは考えていない。
世間体もある。
特に暴力を振るわれているわけではないし、酒乱が酷いとかいうのでもないからね。
何より一番の理由は、小さな子供がいるのに私は一人で生活する自信がない。
不満はあるけど、ずっとこの平凡な生活が続くと思っていた。