舞い誇る華
 

「そう言う問題じゃねえっ!!
俺はだなあっ…… 」



「「「はいはい」」」



「声を揃えるな!! 」




永倉と雛菊・藤堂・原田の掛け合いを見て隊士達はどっと笑い出し 道場内に笑い声が響き渡る。







「……彼等には〝皆をひきつける魅力″があるんですね
本当に… これからどう〝変わっていく″のか〝楽しみ〟になってきました」





永倉達や藤歳の周りに 先程まで試合を見ていた隊士達が集まって雑談をしている様を眩しそうに目を細めて見る山南は誰に言うのでもなくポツリと言う。


そんな山南の言葉を聞いた後 沖田は静かに道場を後にした。



「…少しでも〝心に迷い″があると
人は弱くなる… 例えどんなに取り繕っても どんな人でも…脆く 崩れてしまう……
それだけは…逃れられませんよ……沖田くん」



沖田の後ろ姿を心配そうな眼差しで見つめる山南だった。




















「総司
お前 何であんな事言った?」




道場から出て少し離れている廊下に、煙管を吹かしながら柱に寄り掛かっている土方がいた。

沖田はただ黙って横を通り過ぎたが、土方に声をかけられその場で止まる。



「……………」



「お前が 考え事するなんて珍しいじゃねえか
まあ だからと言ってあんな〝嘘〟つく理由にはなんねえがな」



「酷いじゃないですかー
私だって 考え事くらいしますよーだ」



そう言うと 沖田は振り返りべーっと 舌を出した。

それを見た土方は 眉一つ動かす事なくいつもより低い声をだす。




「…………お前も解ってねえんじゃねえのか「解ってますよっ!!!」



いつもの茶化しているような言葉ではなく声を荒げる沖田。



「…用があるので 失礼します」




一礼すると 止めていた足を前へと進め逃げるようにその場を後にする。



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