同じ空の下で
「良い歌じゃない。なんでもっと早く聞かせてくれなかったの?」
猫は喋った。確かに喋った。光っていたのはその大きな瞳だった。
僕はそんなに驚きはしなかった。その代わり、前にも同じようなことがような気がして混乱した。前にも僕は、動物と話した?
「谷口祐希。あなたは本当に一人では何も出来ない人ね」
猫は小さな瞳を僕に向けて、小さな口を小さく動かして話した。僕は相変わらず光の中にいた。まだすぐ近くにいる貴田先生たちのことを考え、そうしていた。
「あの……あなたは誰ですか?」
僕はもっともな質問を猫へと投げ掛けた。

そして全ては明らかになる。
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