同じ空の下で
携帯ショップへと持って行ってみようとは思ったものの、その日は朝から快晴で、そんなことに時間を使うのはもったいないという思いが込み上げて来た。
キッチンに立ち、トーストをこんがりと焼き上げる。出来るだけパンの表面に色がつくように、こんがりと。それをふたつに切り、たっぷりとバターを塗り込んで重ね合わせる。煎れたてのコーヒーを一口飲んでからそれにかじりつく。妻は、僕が起き出す前から仕事へと出掛けていた。新聞を開き、仕事に関わってきそうな内容にチェックを入れる。大丈夫、今日もまた変わりない一日だ。
朝食を終え、伸びをしながら僕はしばらく考える。今日一日をどうして過ごそう。
その時にもやはり、メールの事なんて記憶の隅へと追いやられていた。
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