同じ空の下で

「連れてってあげる」
真鈴は僕に鞄を渡し、前を歩き始めた。
「ありがとう」
僕は真鈴の後ろを歩き出す。その頃にはもうすっかり、落ち着きを取り戻していた。急ぐ必要だって、多分ないんだろう。
一歩一歩踏み出す度に、真鈴の長い髪が揺れる。間近を歩いているわけではないのに、そこから甘く良い香りがするような気がする。いや、確かに感じる。僕は少しずつ、真鈴に安心を覚えていっている。太陽のせいで汗がだらだらと流れ続けていたけれど、そんなことも気にならなかった。
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