二藍蝶
ねえ、カイリ・・・

貴方は、この暑い夏が
終われば、帰ってしまう
・・・?

『・・・攫ってやる』

『俺の傍に居ればいい』

それは、ひと時の言葉で

永遠じゃない。

ここに居られるのも
しばらくの間・・・

そう、貴方は
私の前からいなくなる。

私の前から消える。

ズキズキと痛む胸

カイリ、苦しいよ・・・

私、どうしよう・・・

「もしもしママ、私ね
 そこには、戻れない
 ・・・・・・
 パパの住む家にも
 戻りたくないの」

私の思いは決まってる。

歩み出した、私・・・
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