二藍蝶
「本命?
 何だ、それ」

煙草を銜える、浬。

「とぼけちゃって

 カイリと関係を持った
 お店の子
 みんな言ってるよ
 
 貴方には、本命がいる
 
 その首にぶら下がる
 Aのイニシャルの女?」

ネックレスに触れる、浬。

「ああ

 そんなんじゃない」

「まっ、どうでもいいよ
 最初から、彼女にして
 もらえるなんて
 私は、期待して無い

 じゃあね、カイリ
 また、お店に来てね」

極上の営業スマイルを見せ
手を振り、ヒールの音を
響かせて帰って行く。
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