二藍蝶
寝ぼけ顔の浬に、自分の
腕時計を指差して見せる弦

「カイリ、もう昼だぜ
 
 ところで、アイさんと
 アイって同一人物?
 
 お前が昔
 骨抜きにされた女」

『何、本気なの?』

『ああ、惚れてる』

「彼女に、一目逢わせてよ
 
 お邪魔します」

慌てて、靴を脱ぎ
室内へ入って行く弦。

「セキ
 
 おい、待てよ」

弦の肩に手を置く、浬。

『カイリ、お前を本気にさせた
 女って、いったいどんな女?
 年上のいい女?
 また、詳しく教えてよ』
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