二藍蝶

「あの後、何度かヨリを
　戻したけど、結局
　二年前に別れました」

「そう・・・二年前
　
　今は、その・・・
　一度も会ってないの？」

言葉を選びながら話す、雪乃

「はい
　一度も会ってません」

悲しげな、藍の瞳。

「そう・・・」

「ユキさんだけに言うと
　私・・・

　今もカイリに
　未練タラタラなんですよね
　
　笑っちゃいますよねぇ

　お姉ちゃん、振られたのに
　バカでしょう？」

藍の問いかけに
少女は、困った顔をする。

「連絡、取れないの？」

「はい
　
　カイリには、もう
　私なんて必要無い」　

「そんなことない」

雪乃さんの大きな声に驚く
藍。

「うるさいよ、ママ」

「大きな声出して
　ごめんなさい・・・

　カイリは、きっと今も
　アイちゃんを必要としてる
　私は、そう思うわ」

「ユキさん・・・」

潤む瞳で、藍は雪乃に頼んだ。