二藍蝶
「えっ、そうなの

 残念・・・
 
 アイ、そろそろ
 あなたも将来を・・・」

「ママ、切るよ
 近いうちに一度帰るから
 ・・・うん、じゃあね」

通話を切った私・・・

「何か、電話
 賑やかだったね?」

浬は、微笑む。

「聞こえてた?
 
 恥ずかしいなぁ」

「楽しそうでいいじゃん」
 
「そうなの、我が家は
 いつも、こんな感じ
 女ばっかりの所帯だからね」

「いいわねぇ
 
 うちなんて男ばっかりで
 本当、つまんない」

その言葉に、厘は言い返す。

「何言ってんだよ
 俺達をいいように使って
 母さんの好き勝手
 やってるくせに」

「あ~あ
 ママって呼んでほしい」

黙ったまま御飯を食べていた
浬の父、庵は言う。

「ママ
 御飯、お代わり」

悪戯に微笑む、庵。

「もう、イオリ・・・」

笑い合う、家族・・・

幸せな時間。
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