二藍蝶
パパの優しい声が
聞こえる。

「アイ、どうしても 
 行きたくないのか?」

「うん、行きたくない」

俯く、私・・・

「そうか、分かった
 
 カヤノ
 旅行はキャンセルしよう」

「そんなぁ、イブキ・・・?」

「行きたくない奴を無理やり
 連れては行けないだろう」

黙り込む、茅野ママ。

「パパ、何も旅行まで
 やめること無いよ
 みんなは、行って来てよ
  
 私は一人で
 留守番できるから・・・」

「駄目だ、女の子を一人で
 留守番なんてさせられるか」

「・・・・・・」

さっきまでの楽しく愉快な食卓
が、嘘のように静まり返り
部屋中に重苦しい空気が漂う。
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