鶏冠頭の不良

「…出る」

「あっそ」

何やコイツ黙り込むん今日多いな

「じゃあ、ちょっと落ち着いたら来ぃや」

まだ、ボーとしている鶏冠頭に近寄り、エプロンのポケットから飴ちゃんを取り出して、手にのせた

「元気になる魔法の薬」

それだけ言って、店内に出た

そんなことを信じるか信じひんかなんて人それぞれやと思う

昔、オカンが帰ってくんのんが遅くって、泣いてたら兄ちゃんがよくやってくれた

まだ幼かったうちは、その飴ちゃんを食べるなりエネルギーが湧いてくるような気がしてメッチャ信じてた

今もやけど


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