アイコトバ。 feat.とうふ白玉
2◇ invite.
*1*
そのバスは、林の中にある道路を走っていた。道路はどうやら坂のようで、重力がバスの中にいる人を座席に押し付ける
「そろそろ着きますからね~」
バスを運転している男が老人に話しかけるように言った。
その言葉を聞き、バスに乗っていた乗客は一斉に顔を上げた。
乗客は八人。
そして、その内四人が同じ黒い封書を持っていた。
その封書には白い文字で、
─────
『知多磨村 一泊ニ日旅行ツアー』
○○○○様
おめでとうございます。あなたは「知多磨村 一泊二日旅行ツアー ペア宿泊券プレゼント」キャンペーンにて見事当選なされました。
─────
と、書かれていた。そして封書の中には日時と集合場所の書かれた紙と、招待券が入れられてた。
封書に書かれていた知多磨村はどうやら山の上にあるらしい。バスの片側には地面とほぼ垂直の崖が見える。崖の下は木々が広がっていた。そこまで高さは無いが危なくないわけではない。