Everlastingly Love
「アリア様。暫し休憩のお時間になります。お疲れでしょう。外に出ませんか?」
「そうね。ありがとう」
ルーシアに促されアリアは馬車から降りた。
周りは兵や馬で埋め尽くされているのを見たアリアは自分が選んだ道は間違いなかったと確信した。
これほどの数の騎士に攻められてはフローランは滅びていたでしょう。
アリアが少し考え込んで、ふと視線を感じて顔を上げると騎士達がこちらをじっと見ていた。
…………あ。いけない。忘れていたわ。
「初めまして皆様。長旅、お疲れ様です。私はアリアと申します。これから、まだレイリーゼ国までの道程は遠く、不慣れな私は皆様にご迷惑をおかけしてしまうかもしれません。ですが皆様の負担にならないように努力致しますので、宜しくお願い致します」
挨拶をして頭を下げると、隊長らしき男がオロオロとしながらアリアの前にひざまずいた。
「失礼致します。第一騎士隊長のガンゼスと申します。王妃様をお守りするのが我等の使命。王妃様のような高貴なお方が我々のような、騎士に頭をお下げになることはございません」
「ガンゼスさん。私は王妃ではありません。まだ婚儀は済んでおりませんわ。フローランを出て私は王女でもなく、ただの一人の女です。お守りしていただけるのでしたら尚更、皆様にお願いするのは当然の事ではなくて?」
「あ、いえ……その……」
「ガンゼスさん。よろしくお願い致します」
深々と頭を下げるアリアにその場は沈黙した。