Everlastingly Love
ジェイドの一方的な口づけと体も痛いくらいに抱きしめられアリアの体力はそろそろ限界だった。
激しい口づけで酸欠状態になってる上に抱きしめる力が強すぎて苦しい。
私は拒まないと約束したけれど、苦しいわ。怖い……!
私は一体どうなってしまうの?
「おい!ジェイド!!とっとと出て来い!」
馬車の外から大きな声が聞こえた。
ジェイドは不機嫌そうにアリアから唇を離し、舌打ちをしながら馬車の扉を開けた。
「突然何だ!」
「突然じゃない!お前は、いい年して勝手な事ばかりするな!」
「何だと?」
「その顔で凄んでも怖くないぞ」
「は?」
「自分の顔見てみろ。それとあまり姫さんを怯えさせるな」
「………。」
ジェイドはアリアを見ると俯き、瞳からは涙がこぼれそうで自分を守るように抱きしめている。
更によく見るとジェイドが強く抱きしめていたために腕が赤くなっていた。
無我夢中だったジェイドは気付かなかった。
「しかし綺麗な姫さんだなぁ。お前には勿体ない」
「黙れ」
王であるジェイド対してぞんざいな扱いをする男はジェイドを無理矢理押し退け馬車に乗り込むとアリアの元へひざまずく。
「初めまして。俺はジェイドの従兄弟のカイルだ。よろしくな」
ジェイドの従兄弟ということは王族だがカイルの風貌からはとても王族のように見えなかった。
「初めましてカイル様。アリアと申します」
アリアは挨拶を終えると同時にカイルに抱きしめられた。