約束した、あの場所で…。

旅立ち…

京君が旅立つ日…。

私は、京君の家の前に居た。

「柚麻ちゃん、来てくれてありがとう」
「いえいえ…」


叔父さんと、叔母さんが笑顔で答える。
チラリと京君を見ると、不機嫌そうな顔をしていた。


「京君…」
私は、京君の手を握ると「相変わらず、柚麻ちゃんは、手が冷たいな…」と、悲しそうに笑っていた。


ーそんな顔しないでよ、私の気持ちが揺れるー


キュッ…と抱き締めると、京君は「おいっ!?、父さんと母さんの前で、恥ずかしいだろ」…照れて真っ赤になった顔が印象的だった。


「また、会える日まで…」
「おう…元気でな。電話するし、手紙書くよ」


そう言って、京君は車に乗り込むと窓から顔を出して叫んだ。


「愛してるっっ!!」



ー愛してるー


京君の口から、初めて聞いた言葉…。
いつもは、大好きしか言わなかったのにね。



「私も、京君…愛してるからっっ!!」



見えなくなるまで、お互いに手を降り続けた……。




京君の姿が見えなくなると私は、その場所で泣きじゃくった……。


ー京君、



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