年下の君に恋をして
翔に携帯を渡すと、『あっちへ行っててくれ』と言われた。

家に電話するだけなのに、恥ずかしいのだろうか?
そう言われたら、盗み聞きしてみたくなった。

「じゃあ私はトイレに行くから、その間に電話しちゃって?」

私はトイレへ行き、ドアを開けるとそのままバタンと、わざと大きな音をさせて閉めた。

そして忍び足で寝室の入口へ戻り、聞き耳を立てた。部屋のドアはわざと開けたままにしてある。

「あ、爺やかい?」

『爺や』?

「うん。友達と勉強してたんだけど…」

友達と、勉強?

「熱が出ちゃって…。
あ、大丈夫。だいぶ下がったから。
それはいいよ。友達のお姉さんが送ってくれるから。
うん、良くしてもらってるよ。

悪いんだけどさ、今日は学校に行けないから、担任の先生に電話してくれる?
じゃあ、頼むね」
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