年下の君に恋をして
「今度、生徒会長に立候補させられるんだ。当選確実らしい」

「すごいのね」

「素の俺を見せたらどうなるかな? 落選だろうな」

「そんな事ないと思う」

「どうして?」

「だって、私が知ってる翔は、優しくて、男らしくて、素敵な男の子だもん」

「有紀子、それ褒め過ぎだから」

「ううん、そんな事ない。私は翔が…大好きよ」

「俺も有紀子が大好きだって、言ったっけ?」

「聞いてない」

「じゃあ、今言ったから」

「そんなの、ずるいよ」

「あ、そうだ。携帯教えろよ」

「ごまかしたな…!」


お互いに赤外線で携帯の番号を交換した。

「あ、そうだ…」

ふと思い、私は茶箪笥の引き出しからアパートの合鍵を取り出した。

「これ、持ってて?」

「これって、ここの鍵?」

「うん」

「いいのか?」

「いいよ。今日みたいに、外で待たれると困るし」

「サンキュー。大事にするよ」

「失くさないでよ?」

「おお」
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