レス―Q
「火のスペシャリスト-2」





「この男は昔から
ここの地区に出没する
放火魔でな…

通称『赤猫』

我々の間では
そう呼んでいる。

コイツのせいで、
年間放火魔事件は
全国の中で一番に
なってしまってるんだ」








事実、
日本の年間殺人件数は
1300件と
言われているが
放火は年間8000件!








ほとんどが、
軽い気持ちや
ムシャクシャ
したからと言う
低俗な考えから生まれた
一過性の犯行だが、

この男だけは何回も
繰り返し
放火を続けている。









かなり昔の隠語で
放火は赤猫と呼ばれて
いた事から、
署内ではこの男を
赤猫と名付けた。









当然、
放火が許せない九古は
怒りを隠せない。








「署長!!

コイツは
必ず捕まえます!

顔は面で分からなかった
ですが、
独特の匂いは
忘れません!」








そう熱い九古に対して
署長は宥めるように
落ち着かせた。









「まあまあ…
それは我々はできない…

とにかく
今日は一旦帰りなさい。

後は私から警察に
報告しておこう」








そう言われ
反抗するワケにも
いかないので、

今日は大人しく
引き下がるとした
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