[君の秘密]
それはいつもと変わらない午後だった


君は女子に囲まれて
楽しそうに笑顔を見せていた

俺は相も変わらず
その笑顔に見入ってしまっていた



「…っおい!とも!」

「え!?」

「お前…自分の彼女に見とれんのもうやめろよ」

直人に笑われながら俺は頭をこずかれた
見とれていたという事実は
隠しようがなく、
俺は無言のまま伸びをした


そしてまた、君に視線を向けると














君はめずらしく
机の下で携帯電話をひらいていた





もちろん俺は君の番号もアドレスも
知っているわけがない

連絡の相手はあいつなんだろうか





そう思いつつ君の表情をみると

一瞬ではあったが、君の顔が曇った
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