[君の秘密]
蟻地獄

君と

あの一件以来、
神谷が君を頻繁に呼び出す事が多くなった

普通なら、こんなにも指定の場所に同じ生徒が呼び出される事を、周りは不審に思うはずで、
だが君の場合は、皮肉にも誰ひとり君を疑いの眼差しでみる事はないわけで、君を信頼しきっての呼び出しだと思われていた






その間、君が辛い想いをしているとは、誰ひとり疑いもせずに。




俺はあの後、君にこう言った











[‥‥俺がやめさせるよ。]

[え‥]

[もし、‥もしも、神谷になにかされそうになったら、俺が止めるよ。そうしたら、白石は、神谷の言う事を守ってるだけで、俺が勝手に止めてるだけ。それなら‥、]

[‥そんなの、駄目だよ‥そうしたら高橋くんがなにされるか‥]

[さすがに神谷だって、殴るような事もしないと思う。そんな事したら、自分の不利になる事、わかってるだろうし。]

[そうゆう事じゃなくて‥]

[いいんだよ、それで。俺は勝手に止めるんだから、白石は気にしなくて。]

[‥‥。]

[‥俺は、そうするよ。]











[‥ありがとう。]
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