[君の秘密]
保守

君を

―翌日。


いつものように
俺は君を教室のドア近くで待っていた



俺があいつとの関係に気づいていると知った今
君はいつものように
冷静でいるのであろう

だったら俺も
その事には触れずにいよう


そう、思っていた





―ガラッ


[おはよう]

[あ、おはよう高橋くん]





いつもの君との会話

これでいいんだ
俺はただ見ているだけでいい








君が席につくのを
目で追っていたとき



ガラッ


[―‥白石先輩、ちょっといいですか]


ドアを開けそういったのは
あの、長身の男、塩島だった



一斉にクラスの視線は君へと向けられた


君はなにも言わずに席を立ち
ドアの方へ歩いていった



[‥―ッ、大丈夫?]



おもわず、君に聞いてしまった




[うん、大丈夫だよ]



君は顔を緩め
微笑みながら俺に答えた





ドア近くにいた俺には向かってくる君の顔が悲しそうにみえていた
< 82 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop