氷の女神
「勘ですよ。いや、推理かな?
昨日のあ、主任は、明らかに具合悪かったですからね。おそらく風邪で、夕べは間違いなく熱出たでしょう、うん」

「嘘くせえなあ。おまえ今、『綾乃さん』って言おうとしたろ?」

「まさか…」

「おい、そのネクタイ。昨日と同じじゃねえか?」

あちゃ…、痛いとこ突くなあ、この人。

結局は時間がなくなっちゃって、綾乃さんのマンションから会社に直行したんだよな…

「しかもおまえ、髭剃ってねえじゃねえか。どこから朝帰りだ?

まさか、主任の家からじゃねえだろうな!?」

ドキッ

「ね、ネクタイはお気に入りで、髭は単に忘れただけで…
誤解ですから、首を絞めるのは勘弁して…仕事しましょうよ〜!」

なんとか黙秘権を貫いたのだった。
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