ボーダー

新たな始まり

新学期。

しばらくぶりに会ったナナと矢榛くんも元気そうだ。

まだ夏休みボケの抜けきらない中、ある日の昼休み。
いつものように4人で遊ぶ予定を立てていた。しかし、ナナがどこにも見当たらない。

ナナを目撃した人は、4人の女の子と一緒にいたらしい。

頭に浮かぶのは、若あゆのときに怒られていた4人。

「先生に言いに行こう!ヤバイ予感がする!」

職員室の窓から見える中庭に6人の女の子。

……ナナたちだ!!

急いで中庭に向かう。

ナナの手にはなぜか弓矢があった。

「え……まさかそれ、使ってないよね?」

「ん?使ったけど、大丈夫。
死にはしないよ。
大体これ、フツーの弓矢とは違うし。」

「負けを認めるんだな。
お前らの計画は失敗したのだ。
お望みとあらば、この盗音機に録音されている内容を先生たちに公表してもいいんだぞ?」

ミツの鋭い声が飛ぶ。

「ハナ、ミツくん、ナナ、あのときはごめん。
ホントにどうかしてた。」

「この弓矢はね、人の心を浄化できるの。
だからミツくん、そんな追い詰めなくても良かったんだよ?」

「…そうだったのか…」

明日からこの8人で過ごす。

5歳のときからピアノを習っていて、耳コピなんかもできちゃう一木有海《いちきあみ》。

人の心の悩みを読みとるのがホントに上手で細かい気配りができる珠美由紀《たまみ ゆき》。

将来はアメリカに留学して、カウンセラーになりたいらしい。

かなり学年の中でも頭がいい北村理香《きたむらりか》。
さらに芸能界に憧れている谷村美麗《たにむら みれい》。

新たなメンバーは、こんな感じ。

また新たなメンバーと共に、新たな日常の始まりだ。
楽しい毎日になりそうな予感がする。

新たな始まりから数週間。
みるみる仲良くなり、体育祭は私達のクラスは学年優勝、あみ達のクラスは学年準優勝、
をした。
合唱コンクールでは、あみ達のクラスが最優秀賞獲得、私達のクラスは優秀賞獲得という結果となった。

そして年が明け、冬は足早に姿を消し、中学2年目の春がやって来た。

私、ナナ、ミツ、あみは3組。
由紀、美麗→2-4
理香→2-2
矢榛くん→2-1

と、見事にバラバラだ。

でも、今年からみんな、私がもともと通っている早向学院という塾に一緒に通うことになったんだ!

なぜかって?

私が誘ったの。

この塾、中2、中3生を対象にサマーキャンプに行けるんだ!

もちろん、勉強なんか一才ナシ!
とことん遊ぶの。

楽しみ楽しみ!

ちょっとした修学旅行気分を味わえる、というわけ。
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