ボーダー
ハナが遠い目をしてる。

きっと、
昔の……
3年前のことを思い出してるんだろうなあ。

ふいに人の気配に気付いて後ろを向くと、レンがいた。

……気付いちゃマズかったか。

ヤベエ。

気付いていない様子のハナの後ろに移動するレンに、見て見ぬフリをする。

案の定、ハナがメッチャ大げさなリアクションをしている。

「レン!
会いたかった!
顔見れなくて寂しかった。」

アイツがレンに強く抱き着いているのを見て、腹が立った。

胸、アイツに当たってね?
もう、レンくらいなら欲情させられるくらいの大きさになっている。

アイツを欲情させてどうする気だ?
アイツも立派な男だぞ。

しかも、カッコ良くなったとか言ってたし。
その言葉、オレに言ってくれよ。

でも、
オレも男っぽくなったって言ってもらえて嬉しかった。

……なんか、ライバルとして認めてもらった気がしたんだ。

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