素敵すぎる上司
上司の家で
「そろそろ明かりを点けてもいいかい?」


「あ、はい」


パッと明るくなった室内は、白を基調とした広いリビング、というかラウンジ(?)だった。


ソファとテレビとオーディオ機器しかないので、なおさら広く感じる。


「他の部屋も見てくれる?」


「あ、はい」


香取さんに付いて家の中を案内されたけど、とにかく広い。そして物が少なく、いわゆる生活感が今ひとつない気がした。中には使ってない部屋すらあった。


「こんなに広い家に一人で住むなんて、贅沢すぎですよ。もったいないです」


「俺もそう思うよ。だからそろそろ、家族を持ちたいかな、なんてね」


そう言って香取さんはジッと私を見た。私はどんなリアクションをしてよいか分からず、目を逸らしてしまった。

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