素敵すぎる上司
「あの……そ、掃除や洗濯はどうしてるんですか?」


「週に二日、人が来てやってくれてる」


「まあ、贅沢! そのくらいは自分でやるべきです」


「ごめん」


「どうせご飯も自分では作らないんでしょ?」


「ああ、すまん」


「じゃあ、今夜は私が作ります」


「いや、それは……。材料も何もないし、もうすぐ来るんだ」


「来る?」


「近所のレストランに配達を頼んである」


「まあ、ぜ……」


「贅沢だよな? でも今日は君も仕事で疲れただろうし、女性を初めて招待した記念という事で、いいだろ?」


「え、それはまあ……はい」


「今度は君に料理を頼むからさ」


「いいわよ」

私は香取さんが言った、“女性を初めて招待した”の部分がとても気になっていた。

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