素敵すぎる上司
「蘭子さんもここへ来た事ないんですか?」


「そうだよ」


「どうして?」


「どうしてって、それは……ここは俺の大切な場所だから、大切な人しか入れたくないのさ」


「………」


「だから、佳奈子は俺にとって大切な人って事さ。分かったかい?」


「でも、私は平凡だし……ううん、貧しくて平凡以下だわ。だからあなたの大切な人には、なれません」


「馬鹿だなあ。大切かどうかは俺が決めるんだよ。俺の気持ちの問題だからね」


「でも、私はあなたに相応しくない……」


「相応しいとか相応しくないとかって、何だよ?
誰が、どんな基準で決めるんだ?
そもそも俺は他人にとやかく言われたくない。俺達さえよければ、それでいいと思ってる」

< 129 / 217 >

この作品をシェア

pagetop