俺様と奏でるハーモニー


「竹吹くの久しぶりだから、ちょっと練習させてくれ。

ああ、こっちは気にしなくていいから、由奈も自分の練習してていいぞ」


そう言って、リビングのラグの上に尺八用の譜面台を広げて、正座した修さん。


ちらっと見たら、尺八の譜面はみんなカタカナで書かれていたわ。


私にはちっともわからないその譜面を置いて、それから唇をなめる。


背中をぴん! と伸ばして、あごを引いて。


管楽器の構えは、和楽器もやっぱり同じなのね。


こっそり、どんな音が出るのか注目していたら。


「いいから由奈は自分の練習をしてろ!」


と、怒られちゃった。


「いいか、8時まで、あとたったの45分しかない!!

何とか今日中に形を作っておきたいんだよ。これから忙しくなるから」


「そうですね~。私ももうすぐ部活の大会があるし……」


「そっちかよ!! まあいいから、とにかく練習するぞ」

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