俺様と奏でるハーモニー
「おじゃまします。
修さん、また何かお料理したんですか?」
「ああ、時間がなかったから、とりあえずポトフにしようと思って、鍋に突っ込んだところ。
練習しているうちにいい感じになるだろ?」
そう言って、早速鍋に火を……あ、ここのアパートもIHなのね。
スイッチを入れていた。
「さて、じゃあ、ちょっと用意するから、その間練習しててくれ」
修さんが奥の部屋に消えてしまい、私はとりあえず楽譜を出してキーボードの音色を調節。
チューニングは440でいいのかしら?
ちょっと指慣らしに弾いていたら、尺八を抱えた修さんが出てきた。
ジャージにTシャツ、そして尺八を構えた、イケメン眼鏡男子……。
全てがミスマッチなんだけど、なぜかそれが許せてしまうのは、彼の毒牙にかかったせい?