俺様と奏でるハーモニー


琴のパートと尺八の掛け合いがあるんだけど、ちょっとでもタイミングがずれようものなら、ものすごい形相で睨まれる!!


こっちだって必死なのよ! だいたい、初めて合わせるんだからちょっとは手加減しようと考えるでしょ、普通!!


譜面も鍵盤も修さんも見なきゃまだ弾けないの!!


それでも、何とか最後まで演奏できたのは良かった……と言えるのかしら?


ふぅ……緊張したわ。



修さんが私を見て言った。


「和楽器ド素人で、たったの1日練習しただけなら、上出来だな。

さすが音大卒、というべきか」


「お褒めにあずかり光栄です。

でも、まだまだ未熟者ですので、師範からのご教授が沢山必要ですね」


「解ってるみたいだから、時間までとにかく合わせるぞ」


8時まで、何度か途中で説明を受けながら、ひたすら弾いたわ。


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