俺様と奏でるハーモニー
「うん。由奈にはいい意味で予想を裏切られた。
……じゃなかったら、今日、これから挨拶に行こうなんて思わない。
ホント、参りました、いろんな意味で。
ところで、由奈のご両親って、どんな人?」
それから、車が私の実家に着くまで、お互いの家族の話をして。
全く知らないことだらけだから。
よく考えたら、恋人の期間がないのよ、私達!!
……それ以前に、仲良くお話ししたこともなかったってことに、いまさら気づいたわ!
『好きです』とかの告白なく、いきなり好条件突きつけられてその話に乗っちゃったもの。
もしかしたらものすごくもったいなくない?
ここまでで一度だけ、ちょっと胸キュンしたような気もするけど、肝心の相手は爆睡中だったし。
え、『コメディジャンルに登録されてるんだからそれでいい』って?
『恋愛ジャンルにいまさら変えられるようなタイトルじゃない』ですって?
……今までの主人公と随分扱いが違うじゃないのよ!