俺様と奏でるハーモニー


修さんと城田先生が、びっくりして私を見ている。


ええ、キャラじゃないこと、やってますよ!


でもね、多分これが一番、受け入れてもらえる謝罪だと思ったから。


相手の立場とか、キャリアじゃなくて、ただの女として。


……ちょっぴり嫉妬していたのは事実だし。



私の謝罪が意外だったのは、森本先生も同じだったらしく。


ちょっと、いや、かなり間があいてから、やっと口を開いたの。



「私の方こそ、ごめんなさい……。

2人が婚約中だなんて全然気が付かなくて、芹沢先生にはすごく失礼なことを言っちゃった。

五十嵐先生にもご迷惑をおかけしました」



お互い、外から聞いただけなら、女の嫉妬についてのみ、謝っているように思えるかも知れないけれど。


口に出せないだけで、私達はちゃんとそれ以外についても謝っているんだから。


私と彼女は、きっと今、同じ事を考えて謝罪しているの。


だからこそ、彼女の口からもすんなりと謝罪の言葉が出てきたんだと思う。

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