俺様と奏でるハーモニー


校長先生からの拍手で我にかえった。



「いや~、良かったよ。これがまだ3回目の練習だって!?

さすがだね~。これからあと少し練習したら、もっとすごい演奏が期待できそうだね~」



「ありがとうございます。

ご期待にそえるように頑張ります」



修さんの言葉と一緒に、私もおじぎをした。


良かった、とりあえず気に入ってもらえたみたいだわ!


ちらり、と修さんが私を見る。


わかったわ。


ピアノの椅子から立ち上がり、修さんの隣へ移動する私。


修さん、頑張って! 今こそ策略家の本領発揮よ!



修さんが私の顔を見て、それから校長先生に向き直る。


「突然のことで驚かれるかも知れませんが、私と彼女は明日、婚姻届を提出します」


「知ってますよ~。いや~、良かった良かった」


え?


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