俺様と奏でるハーモニー


つわりが治まってからも、大きくなるおなかを抱えて仕事をするのは大変だった。


でも、生徒も同僚もみんな優しかったわ。


一番優しくなったのは、修さんだけどね。


たまに私が無理をしそうになった時だけ、俺様に豹変するのが面白いの。


大事にされてる私、かなり実感させてもらってます。



修さんが言っていたように、来年度以降も『産休・育休』のまま、この学校へ残ることができるようになり、私の『陸の孤島行き』はなくなったわ。


……職場復帰してからも、小さい子どもを抱えた女性教員は、病院のないような地域に飛ばされることはないそうなのよ。



そうそう! 嬉しいことに、森本先生は採用試験に合格して、春から地元の小学校で勤務することが決まったみたい。





そして、私は無事に、男の子を出産しました。


修さんにそっくりな、和風で凛々しい顔立ち。


修さんは今から、尺八を教えようと考えているらしいわ。


私も今から、ピアノを弾かせたいと思ってるんだけどな。




< 211 / 215 >

この作品をシェア

pagetop