俺様と奏でるハーモニー
「私だって、ちゃんとしたもの作りますよ!」
五十嵐さんは笑って言った。
「じゃあ、次は由奈が作れよ」
「次もあるんですか!!」
「当然。練習しないとならないだろうが。俺より上手いんだろう? 楽しみだな」
ま、まずい。
その時までには何とかしなくちゃ。
「ところで、五十嵐さんはいつから尺八をやってるんですか?」
話題を変えておかなくちゃ。
チャーハンをもぐもぐ、飲み込んでから答えてくれた。
「小学校5年から。俺のじいさんが尺八の先生だったんだ」