俺様と奏でるハーモニー


「空き時間、職員室にいるだろ? そしたら、時間が合えば必ず森本が寄って来るんだよ。

俺がテストの丸付けしてようが、教材研究してようが、おかまいなしだ。

休み時間、生徒の相手をしてる時なんて特に、割り込んできやがる。

生徒の目の前で『また一緒に飲みましょうね~。今度は私、つぶれて介抱されないように気をつけま~す』なんて言ってさ。

お前と飲んだのなんて、歓迎会だけだろ! しかも介抱してくれてたのは俺じゃなくて本間さんだ!

おかげで生徒は、俺と森本が付き合ってると噂してる。

さらに管理職の前でも、べたべたしてくるんだよ。

森本を可愛がってる教頭なんて、なるべく巡視とか研修を俺と組ませようと余計な気遣いしてくれてるらしいしさ」


……それはちょっと、やりすぎよ、森本先生。


そんなんだから、採用試験に受からないのね。


ちなみに、私と彼女は同い年。


もう4回も採用試験に落ちているけれど、それもこの世界では当たり前。


ストレートで入る方がまれなのですわ、ふっふっふっ。

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