例えば君が
え…?
現実世界に居る奈里が“弘”と言ったから驚いた。
『りうはどこ?』
私を…探してる?
嬉しいようで悲しい
『いるよ…。話したい?』
ちょ、ちょっと!
“良いじゃない、別に…。これが最後だよ、きっと。”
最後だよ
そうか 最後なのか。
嬉しいようで悲しい
二回この言葉を重んじるくらい、私の心に弘が浸透してしまったようだ。
『弘、おやすみ』
私は現実世界には出てこれない。
だから、弘が眠らないと私は弘に会えないのだ。
「りう!」